視覚障害者用文字
ムーン・タイプ
Moon




 視覚障害者の文字、イコール、点字というイメージがあります。もちろん、点字が有効な文字として機能しており、教育、職業、社会生活上のさまざまな場面で欠くことのできない情報送受の手段であることも確かです。一方、点字の触読が困難な層が非常に厚いことも現実です。その場合、音声などに置き換えることも必要ですが、文字としての役割も取り上げていかなければなりません。それは、複合した障害をもつ人のことも考えれば、なおさらのことです。
 

アルファベットをムーンの浮きだし文字を示しています
RNIBのムーン・タイプの紹介シートより


  ムーンは、浮き上がらせた形を触ることで読み書きする方法です。これまで視覚障害者用に開発された文字はさまざまですが、このムーンも歴史のひとつに捉えられているかもしれません。しかし、このコンセプトは、今日、建物内外の案内表示や重複障害をもつ視覚障害者の伝達方法を考える時に、振り返ってみてもよいのではないでしょうか。
 このムーンとは、考案者である、英国の視覚障害者、ウィリアム・ムーンWilliam Moonの名前をとっています。
 RNIBの資料によれば、次のように説明されています。

 ムーンは、視覚障害をもつ、あらゆる世代に使えるよう意図して作られている。大きな形にしていたり、半数以上は印刷文字にかなり類似させるなどしているので、触覚が鈍くなってきている高齢者に特に適当であることが見出されてきた。もう一つ、適用できる対象として、身体障害と知的障害をもつ児童をあげ、ムーンを学ぶことで、読み書きの技能を身に付けたりでき、また、複合した障害をもつ人たちは、ムーンを試みる機会をもつことが期待されている。
 点字をうまく使えないからムーンを学習していると思うかもしれないが、ムーンを使うことで自分の触覚に自信を持つ人も多い。そして、点字の学習に戻ってくることもある。
 点字は点で構成されているが、ムーンは、九つの基本的な形体を形作るために直線と曲線で構成されている。これらの形を異なる方向に回転させることで、アルファベット26文字を作っている。いくつかの点を用いた句読点を加えたものが、グレード1のムーンとして知られている。読みの速度を増し、かさばりを減らすために、"the"や"ch"のような、頻度の高い語句をあらわす記号を学ぶことになる。そして、より複雑なものについては、グレード2のムーンとして扱われる。
 よく、普通のアルファベットを触れるように浮き出させないのは何故かと思われるが、大文字と小文字の形が複雑であり、それをわかるような大きさで本を作成するとすると非常にかさばるものとなってしまうからである。

 ムーンがこの文字を考案する前には、さまざまなものが試みられた。しかし、彼のかなりシンプルな構成は、読みの速度テストでは生き残っており、有効なものであることが確かめられている。
 ムーンが1845年にこの文字を考案した時、点字は、それより16年前に発明されているが、フランスからイギリスにすぐには伝わらなかった。ムーンは、点字が伝わる前に、確立されていることになる。したがって、ムーンは、視覚障害者にとって必要不可欠な文字として存在してきた。

ムーンによる文書。行間はかなり狭いので、移動が大変かもしれない
ムーンによる文書


小窓が開いているので、そこにボールペンでムーンの文字を書いていくと浮き上がる。ただし、実際には浮き出しがきれいにはでないので、ちょっとわかりづらくなる
レーズライターと同様の方式によるムーン・フレーム


ムーンによるカレンダーの表紙 カレンダーの1月のレイアウト。1ヶ月1ページになっている
ムーンを用いたカレンダー カレンダーの1月分




ムーンに関する問い合わせ機関
Deafblind UK

100 Bridge Street
Peterborough
PE1 1DY

Barbara Fairfoul
43 Roundcroft
Romiley
Stockport
SD6 4LS

Moonbase
RNIB Rushton Hall School
Rushton
Kettering
Northamptonshire
NN14 1RR

National Library for the Blind
Far Cromwell Road
Bredbury
Stockport
Cheshire
SK6 2SG

RNIB Braille & Moon Teachers Noticeboard
RNIB
Resource Centre
224 Great Portland Street
London
W1W 5AA




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